私の家の庭には、一本の大きな桜の木があります。私は桜の花が、とても大好きです。と言うか、日本人であれば、大体の方々が好きなのではないでしょうかね。今年も、見事な花を咲かせてくれましたが、若干花びらも散り始めた感じです。この桜の花が散る時っていうのは、なんとも切ないというか、はかないというか、寂しいというか、色々な思いが頭の中をめぐるものです。まあ、それもそれで風情があって、良いかなと思える時もあるのですが。
そんな、桜の散る時の風景でも、美しいと純粋に思えた事もあります。それは、現実の世界の話ではなく、映画の中での事です。映画”ラストサムライ”のラストシーンで、”渡辺謙”が死んでしまうシーンでの、桜が散りゆく景色は、純粋に美しいと思ったものです。
映画”ラストサムライ”は、ハリウッドの映画ですが、桜の美しさというか、桜が散っていく事の儚さというかを、良く理解しているなと感じました。この映画の監督は、武士道の潔さや、物事の引き際、武士の損得を無視した散りざまを、桜の花びらの散りざまに、だぶらせていたのかもしれませんね。
この映画のロケ地ですが、日本以外の場所が多かったようです。日本での撮影も、勿論ありましたが、ニュージーランドでの撮影が主だったようです。日本での撮影は、兵庫県姫路市にある、”書写山・円教寺”と、長崎県佐世保市の”九十九島”だそうです。”書写山・円教寺”は、監督が姫路城を見に来た際に、時間が余った為、たまたま寄った際に、気に入って撮影に使われたそうです。
私は、京都が好きで、よく京都に旅行で行くのですが、まだまだ日本にも、私の知らない美しい場所があるんだなあと、感じてしまいますね。
そして、”ラストサムライ”を見て思ったのが、侍の武士道の美しさです。今の日本人には、あまり無いものですね。人間として、理想論なのかもしれませんし、実際には、体現できない生き方ではあります。しかし、それに近い生き方なら出来る筈。映画の中で、死んでいく侍達は、きっと本望だったのでしょう。主の為に、自分の信念の為に、武士としての生き方だけの為に死んでいく事は、侍にとっては本望だったのでしょうね。
そして、”渡辺謙”の散り際に言う台詞、”perfect”は、桜に対してと、自分の散り方の両方だったのでしょう。侍という生き物にとって、色々な意味で完璧なシチュエーションなのでしょうね。
あの桜の景色は、あの映画の中でしか見られない、特別なものなのかも知れませんね。
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